![]() 今回ご紹介する映画は「Uボート」です。1981年に公開されたドイツ制作の潜水艦映画です。監督・脚本は、「エアフォース・ワン 」(1997)、「トロイ」(2004)のウォルフガング・ペーターゼン。主演は、「イングリッシュ・ペイシェント(1996)、ダ・ヴィンチ・コード The Da Vinci Code (2006) などにでているユルゲン・プロホノフ です。元々は全6話のテレビシリーズとして製作された作品を編集し、公開されました。1983年のアカデミー賞で6部門にノミネート(監督、撮影、視覚・音響効果、編集、音響、脚色。ただしいずれも受賞はならず)されるなど、国際的に広く評価された作品です。この作品の評価により、ウォルフガング・ペーターゼンは、以後ハリウッドに進出することになりました。 さて、内容ですが、第二次世界大戦下の1941年秋、ドイツの占領下にあったフランス大西洋岸にあるラ・ロシェル港から、1隻のUボート(U96)が出港します。彼らに与えられた任務は、敵勢力に補給面から打撃を与えるため、大西洋を航行する連合軍の輸送船を撃沈することです。 このUボートの乗組員は、艦長を含めて総勢43名。最年長の冷静且つ操艦にたけた古参の艦長(ユルゲン・プロホノフ)でさえ30歳、その他の乗組員たちは皆せいぜい20代前半になります。今回、この取材に同行するため初めてUボートに乗り込む報道部記者ヴェルナー(ヘルベルト・グリューネマイヤー)においては22歳の若さとなります。 ラ・ロシェル港から出撃後、しばらくの間は新鮮な野菜や食料があり、また敵国の駆逐艦などの脅威も少なく、乗組員全員が意気揚々ととても士気が高い状況でした。しかしながら、連合軍は対潜水艦戦術を向上させてきており、ドイツ軍のUボートの生存率は徐々に下がってきていました。 Uボートは荒れ狂う北大西洋での哨戒任務および敵船団攻撃を実施、しかし敵駆逐艦に追尾され、ソナーによる探索、および爆雷の投下による恐怖…。そして敵駆逐艦を轟沈させ、帰国できると一息ついた彼らに届いたのは、イギリス海軍の地中海本拠地のあるジブラルタル海峡を突破せよ、という過酷な任務でした。 敵が細心の注意をはらって哨戒している海域を静かに潜航し通過しようとしましたが、敵に発見され、致命的な損傷を受けます。U96は浮上させる装置が故障し、艦はその耐圧能力を大幅に超えた280Mの深さまで、沈んでいきます。 絶望的な状況下で、艦長は修復作業を命令します。乗組員の知恵と創意工夫により、大量の浸水は食い止められるも、浮上装置は故障したまま、必死の修復作業を行いますが、どんどん艦内の酸素は欠乏していきます。少ない酸素を無駄に消費しないため、必要最小限の乗組員以外は、全員横になり、その修復の時を待ちます。時間は刻一刻と過ぎ去っていき、艦内にほとんど酸素がありません。意識が朦朧とし始める乗組員たち。 はたして、彼らの運命は?彼らはこの窮地を脱出し、母港に帰りつけることができるのか? そんなあらすじです。 さて、前回このブログで「U-571」をご紹介しましたが、こちらの「Uボート」はその元祖にあたり、まさに「潜水艦映画に駄作なし」といわれますが、その中でもこの作品は、まさに潜水艦映画の最高傑作といってもいい内容となっています。 1981年の作品ですので、SFXやコンピューターグラフィックなどあまり活用されていませんが、そのストーリー展開や演出、役者さんたちの好演などにより、とてもリアルで戦時の潜水艦がどのような形で運営され、どうのようなプレッシャーの下で戦ったのかが、非常な緊迫感のもと理解することができます。 戦争当初、ドイツ軍の宣伝やまだ連合国軍の対潜水艦作戦の稚拙により、大西洋を我が物顔に席巻していたUボートですが、その後対潜水艦作戦の進化により、どんどん犠牲が増えていきました。実際には出撃した艦の4分の3は生きて変えることができないという過酷な任務だったようです。 そのような危険な潜水艦の任務を、その出港から帰還まで、様々な海上での脅威や攻撃を受けながら、かろうじて生き延びる潜水艦の乗組員の姿をとてもリアルに、そして極限状況におかれてもなお頑張り抜く、不屈の精神をもった兵士たちの姿を描いています。 この作品は、潜水艦の華々しい側面はあまり出てこず、どちらかというと敵攻撃の脅威にさらされた時、潜水艦乗りはどのような恐怖を感じるのかを、巧みな演出により描き、観るものにもその非常な心理的プレッシャーを与え続けます。爆雷に翻弄される艦内や、沈没した海底での修復作業。本当に観る者に息苦しさを与え、まさにその場居合わせてるんじゃないかと感じるくらいのリアリティがあります。 この映画は、おそらく「潜水艦映画」の中でも、上位に位置する大変すばらしい作品であり、ひょっとしたら、(もちろん、観る人にもよるとは思いますが)最高傑作といってもいいぐらい、非常によくできた素晴らしい作品だと思います。 このブログを読んでいる人はきっと、この作品を観ているに違いないでしょうが、まだ観ていないというある意味、幸運な(笑)人は必見ですし、またディレクターズカット版をご覧になっていないのでしたら、劇場公開版より1時間以上も長いこちらの鑑賞をお勧めします。より詳細に、より感情移入しやすい内容になっていますので。是非、未見の方は、お楽しみください。 俳優 艦長:ユルゲン・プロホノフ ヴェルナー少尉:ヘルベルト・グレーネマイヤー 機関長:クラウス・ヴェンネマン 第一当直士官:フーベルトゥス・ベンクシュ 第二当直士官:マルティン・ゼメルロッゲ 一等航海士:ベルント・ダウバー ヨハン:アーウィン・レダー 原作:ロータル=ギュンター・ブーフハイム 監督・脚本:ウォルフガング・ペーターゼン 音楽:クラウス・ドルディンガー 製作:ギュンター・ロールバッハ 製作助手:ミヒャエル・ビティンス 撮影:ヨスト・ヴァカーノ 製作総指揮:ルッツ・ヘンクスト プロダクション・デザイナー:ロルフ・ツェートバウアー、ゲート・ヴァイトラー 編集:ハンネス・ニーケル ディレクターズ・カット プロデューサー:オートウィン・フレイヤマス 時間: 209 分 ![]() |
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