アベンコ特殊空挺部隊 奇襲大作戦(英題:Abenko Green Beret)
アベンコ特殊空挺部隊 奇襲大作戦

今回ご紹介する映画は「アベンコ特殊空挺部隊 奇襲大作戦」です。1982年に韓国で製作された映画で、前回、同じ朝鮮戦争を扱った映画で「史上最大の戦場 洛東江大決戦」という作品を紹介しましたが、こちらの作品も同じイム・グォンテク監督となります。

さて、内容ですが、まず冒頭にて一人の韓国人青年「呉」が韓国陸軍「成」少将を訪ねてくるシーンから始まります。呉青年は自分の父の戦争での消息を知りたく、少将を訪れました。少将は今まで封印していた記憶をこの青年の為に解き、ポツリポツリと戦争の過酷な経験を語り始めます。

当時、韓国軍は北朝鮮の猛攻により、洛東江まで後退、そこを最終防衛拠点としなんとか北朝鮮の激しい攻撃を防御していました。ただし、防戦一方の韓国・米国連合国軍に見えましたが、実はマッカーサー司令部直属の「アベンコ」という特殊部隊が韓国軍の中に設立され、この特殊部隊は過去数回にわたり北朝鮮への潜入工作を続けていました。この特殊部隊は、米国のアレクサンダー中佐、ベンダブル少佐(あのCOMBAT!」でおなじみのビック・モロー)、高中佐の頭文字を取って、「アベンコ」と名づけられています。

過去一度も潜入工作を成功させておらず、毎回人的被害が大きいため、韓国軍の部隊長である高中佐は、部下を次々に戦死させていることから、この作戦を継続させることに疑問を感じ始めています。しかしまた、次の作戦(敵補給弾薬庫の爆破)が立案され、次に潜入する部隊が編成されます。

今回の部隊は下士官および兵卒6名で編成されました。その中に(冒頭で出てきた呉青年の父である)呉がいます。呉は作戦投入前にたまたま知り合ったバーで勤務する女性を愛し、そのまま作戦決行前に結婚します。そして結婚式を終えたその足で、呉は北朝鮮に侵入すべく、輸送機に乗り込みます。

北朝鮮内に降下した6名は、北朝鮮兵になりすまし、激しい銃撃戦を繰り広げながら、かろうじて補給弾薬庫の爆破に成功します。しかし、その戦闘で唯一の爆破専門の兵士が戦死してしまいます。作戦は困難を極めましたが、なんとか設定されていた撤退ポイントに移動します。しかし、司令部からは、「北朝鮮軍の作戦参謀将校を生け捕りにせよ」という作戦の継続命令が届きます。

部隊の損傷が激しく、作戦は継続できるのか?果たして、彼らの運命は?

そんなあらすじです。

さて、今回この映画ですが、作品の中身を語る前に、まずあの「ビックモロー」がでていることに驚きを感じます。ただし、サンダース軍曹のようなさわやかな二枚目というのではなく、髭をたくわえた、ちょっとイワクありげな米軍将校というかんじです。彼がこの作品になぜでているのかはわかりませんが、韓国側はビックモローにあやかった集客を考えていたのかもしれませんね。

内容についてですが、前回の「史上最大の戦場 洛東江大決戦」とは違って、最後まで鑑賞することができました。ただし、この当時の韓国映画については、どうしても演技過剰気味だったり、妙にお涙頂戴的な内容になっていますので、そのあたりが好きになれないとか、感情移入しづらいとかいう人はでてくるかもしれません。同じ朝鮮戦争を扱った「ブラザー・フッド」は(韓国映画が進化しているからなんでようが)あまりそのあたりのことは気ならず、私は最後まで楽しめましたが、どうもこのあたり(1980年ごろ)の作品については、私はなかなか素直に見ることができません。私としては、もう少し演劇的な演技を薄くして、もっと抑えた演技で観客をぐいぐい画面に集中させてくれればいいなあと思います。

戦闘シーンについては、昔の映画にありがちな、腰だめでバンバン銃撃するとか、爆発の炎が過剰だったり、また撃たれた兵士のもんどりうちかたもかなり演技過剰な感じです。どうしても最近の戦争映画を見てしまうと、見劣りするのは、致し方ないですかね。

タイトルは「アベンコ特殊空挺部隊 奇襲大作戦」でまあ、映画の内容にあっているのではないでしょうか?あまり違和感は感じませんでした。原題は「Abenko Green Beret」です。直訳すると「アベンコのグリーンのベレー帽」という意味なんでしょうね。高少佐も着用していましたので、こちらはこの特殊部隊のシンボルマークなんでしょうか?

さて、最後に感想ですが、昔ながらの戦争映画が好きとか、昔の映画によくある演技が多少過剰気味なところとかが気にならない方は見てもいいかもしれません。ただし、私はどうしても映画の演技というものは、極力抑制して欲しいと考えていますし、またストーリーや戦闘シーンもリアリティがある方が私は好きなので、ちょっとこの映画は人にお勧めできないかなあって感じましたよ。
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1982 韓国 監督:イム・グォンテク
出演:シン・イルヨンナムグン・ウォンビック・モローほか  136分 カラー

アベンコ特殊空挺部隊 奇襲大作戦

【2007/12/22 23:52】 | 朝鮮戦争映画 | トラックバック(0) | コメント(0) |
チェチェン・ウォー(原題:THE WAR)
チェチェン・ウォー
今回ご紹介する映画は「チェチェン・ウォー」です。2002年ロシアで制作された映画です。監督はロシアの鬼才といわれる「フリークスも人間も」「ロシアン・ブラザー」のアレクセイ・バラバノフ、出演は「レッド・スナイパー 〜独ソ最終決戦〜」のアレクセイ・チャドブです。マイナーな作品なので、観た方はすくないかもしれませんね。

さて内容ですが、この映画は、題名通りチェチェン紛争を背景にしています。物資輸送中にイスラム武装組織の捕虜となったロシア軍のイワン軍曹(アレクセイ・チャドブ)は、手と足に鎖をつけられ武装組織の拠点で薪(丸太?)を切ったりしながら強制労働をさせられています。そこにイギリス人の俳優であるジョンがその恋人とともにこの基地に連れてこられます。

武装組織はジョンと共に捕虜となったロシア軍人二人を見せしめに彼らの前で即刻死刑を執行します。その残虐な執行を目の当たりにした彼らは恐怖に慄きながらも自分たちは軍人ではなく、俳優であることを主張、武装組織に開放を要求しますが、全く聞く耳をもたれません。それどころか、先に捕虜となっていた外国人の指を切り落とすなど、さらに残虐な行為を彼らの前で行い、彼らから逃亡の意思を奪い、さらに要求に従わなければ、何をされるのかわからないという恐怖を植えつけます。

ある日のこと、武装組織のリーダーは、ジョンと英語が話せるイワン軍曹二人を釈放し、二ヶ月以内に200万ドルを用意しなければ、ジョンとともに捕虜となった婚約者をレイプ後、死刑執行すると脅し、必ず金を用意し、この基地に戻ってくることを強要します。

ジョンはイギリス本国に戻り、必死の金策に走りますが、イギリス政府はテロリストとの取引は行わないことを主張、200万ドルに到底届かず期日は刻一刻と迫ってきます。

身代金額に全く足りないまま、万策尽きた彼は、最後の手・・・イワン軍曹と共に婚約者の奪還を図るべく再び武装組織の基地を襲撃する計画を練り、そしてその計画を実行に移します。

再び、チェチェンの地に向かう二人。果たして二人は強力な武装組織に囚われている婚約者を奪還できるのか?二人の運命は?

そんなあらすじです。

この映画はおそらく賛否両論に分かれると思います。「つまらない」という意見のほうが多いかもしれません。内容としては、チェチェン紛争の激しい戦闘シーンを期待させる題名になっているので、それを期待して観た方は、どちらかというと婚約者奪還のために金策やその後再度チェチェン地域に越境し、その後二人だけの軍事作戦で最終的には武装組織の基地を急襲するという話の展開になっていますので、話の流れは地味目ですし、戦闘シーンもどちらかというとそれほど激しいものではないので、大きく期待外れな印象を与えるかもしれません。

ただ、私としては、冒頭のジョンたちが武装勢力の基地に連行されてきたとき、いきなりロシア軍人の捕虜の首を切ってしまうような残虐な処刑をしたり、イワン軍曹とジョンが再度武装勢力のテリトリーに侵入したときに軍用車を奇襲するのですが、その戦闘シーンでは、車に同乗していた女性もあっさり殺してしまったり、また最後の基地でのシーンでもイワンが建物内に手榴弾を投げ込んだ後、建物に突入するとはらわたから内臓が飛び出た老人が「何をしにきた・・・」(ちょっと正確な台詞を忘れましたが)とつぶやきながら呆然としているシーンとか、全編に渡り「乾いた感じの死に関する臨場感」を感じることができ、私としては、なかなかどうして、この映画を最後まで集中してみる事ができました。

タイトルは「チェチェン・ウォー」です。こちらは、どうしても本格的な軍隊同士の戦争を想像してしまう題名になっていますが、観て頂くとわかるとおり、どちらかというと私闘に近い内容なので、ひょっとしたら肩透かしを食らってしまう内容かもしれません。原題は「THE WAR」・・・ちょっと私にはこの題名をどのような意図で名づけたのかは、想像できませんでした。どなたか、いい解釈があれば是非教えてください。

最後に感想ですが、先ほども書きましたように、この題名から本格的な戦闘シーンがある戦争映画だと思いこの映画を鑑賞すると、ちょっと拍子抜けしてしまうでしょうが、捕虜奪還ものの映画として、多少イージーゴーイングな感じはあるにせよ、「死のリアルさ」をところどころ感じさせる(少なくとも私にはリアルに感じました)戦闘シーンも散見されますし、主人公のアレクセイ・チャドブもいい味を出しているので、観てもいいかなって感じさせる映画だと思いましたよ。

監督 : アレクセイ・バラバノフ
出演 : アレクセイ・チャドブ , ラン・ケリー , セルゲイ・ボドロフ・ジュニア , インゲボルガ・タブクナイテ

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チェチェン・ウォー
【2007/12/16 23:50】 | チェチェン紛争映画 | トラックバック(0) | コメント(0) |
プライベート・ソルジャー(原題:When Trumpets Fade)
プライベート・ソルジャー
今回ご紹介する映画は「プライベート・ソルジャー」です。1998年米国で制作されたTV映画です。監督は「ハンバーガーヒル」でお馴染みのジョン・アーヴィンですので、ご存知の方も(多少)いるかと思います。

さて、内容ですが、1944年、ノルマンディに上陸した連合軍はパリを解放し、クリスマスまでにドイツに侵攻、第二次世界大戦を終結させることができるのではないかと楽観的ムードが生まれ始めたその時、ドイツ・ベルギー国境にドイツ軍は「ジークフリート線」(別名:竜の爪)に鉄壁の防衛陣地を築き、執拗な抵抗を続けていました。この戦いは後に、「ヒュルトゲンの森の戦い」と呼ばれ、ノルマンディ上陸作成をも超える悲劇を生んだ作戦とされています。

この映画は、ヒュルトゲンの森に投入されたホッジス将軍率いるアメリカ第1軍の第28歩兵連隊のお話です。

主人公は、マニング一等兵・・・彼は自分の所属する部隊が全滅し、唯一生き残った兵士になってしまいます。マニングは、戦争に対し冷めた眼で見つめており、無謀な作戦や状況に対し、ことある毎に上官にたてつきます。ただし、上官は彼の戦場での判断力や行動力には一目を置いており、彼を軍曹に昇格させ、戦争経験のない補充兵だけの小隊を率いさせることにします。

そして、その後、マニングの所属する中隊は「橋」を攻略することを本部より命令されます。この本部の命令に対し、中隊長(マニングの上官)は丘の上にある88mm砲を排除しなければ、橋を攻略しても、そこから砲撃され部隊は非常に危険な状態にさらされると上申しますが、結局その進言は取り入れられず、攻撃命令が下ります。

中隊はヒュルトゲンの森の中を進軍開始しますが、やはり丘の上から猛烈な砲撃およびドイツ歩兵部隊による近接攻撃を受け、激しい損害を受けます。そんな過酷な状況の中でも、中隊はなんとか橋を確保しました。しかしやはり丘の上から、さらに激しい88mm砲による砲撃を受けます。このままでは部隊が全滅すると作戦本部に伝える中隊長。橋を確保せよとかたくなに命令する本部。

中隊が全滅の危機に瀕していた状況の中、マニングが率いる部隊は、丘の上にある88mm砲に攻撃をしかけ、なんとかこの砲撃部隊を全滅させ、橋をかろうじて確保していた中隊を救います。マニングの活躍により、中隊は救われたかと思った矢先、今度はドイツ軍の戦車が現れ、この中隊目がけ、またもや激しい砲撃を開始、結局中隊はこれを支えきれず、作戦本部のある位置まで撤退します。

そして、また作戦本部からは、明朝、再度「橋」を奪取せよとの命令が下ります。このまま突撃すると中隊は全滅すると感じたマニングは自身の部下たちに、このまま突撃すると必ず部隊は全滅する、それよりも夜陰に紛れこの丘の上にいる戦車を潰そうと提案します。新兵たちは恐怖に慄きながらも、マニングの提案を受け入れ、夜陰に紛れ丘の上の戦車攻撃のため、進軍します。

その後、マニングおよび新兵たちの運命は?また、中隊は橋に向かって無謀にも突撃し、全滅してしまうのでしょうか?

そんなあらすじです。

この映画は、監督が「ハンバーガーヒル」のジョン・アーヴィンだけあって、非常にリアルでそれなりにお金をかけて制作されている感じがします。題名だけですとチープなB級映画を想像してしまいがちですが、冒頭において負傷者を主人公が励まし運ぶシーンから、最後に至るまで非常に優れた演出がなされ、また登場する役者たちもしっかりと絵になっていますし、また演技も非常によく抑制がきいており、非常にリアルですし、役者一人一人に妙な存在感がある(役者選出は非常にうまいと思います)ので、始めから最後まで、緊張感が途切れることなく、しっかりと鑑賞することができます。

戦闘シーンについても、(プライベートライアン的手ぶれや音響効果などはないなれども)非常にリアルで、戦場の恐怖、特に森の中での砲撃の恐ろしさや、敵兵に前線が崩壊し、追撃される恐怖などはよく演出できていると思います。戦場では死ぬのも生き残るのも紙一重だと思いますし、また戦場においての死は悲惨でむごいということをこの映画はよく表現していると思います。

タイトルは、「プライベート・ソルジャー」で、こちらはもちろん「プライベートライアン」を連想させる題名で集客を図ったかと思いますが、少々安易な感じやどこかB級映画の感じをかもしだしており、パッケージを手に取った人も、少々ためらう感じがするかもしれません。原題は「When Trumpets Fade」となっており、「トランペットが消える時」が直訳ですが、「進軍ラッパが吹き終わる時」などという意味でしょうか?私は、「突撃命令とともに吹かれる進軍ラッパが吹き終わる時には、名もない兵士たちが傷つき倒れていく・・・」というような意味かと勝手に意訳していましたが、もしこの翻訳がわかる人がいたら、是非教えてください。でも、原題の方が、邦題より高尚な感じがしますよね(笑)

最後に感想ですが、私はこの映画をタイトルから判断し、あまり期待せず鑑賞しましたが、タイトルからは想像できないほど、非常によくできた映画だと思いました。主人公がある種無感動・無表情な人物描写で描かれているため、何を考え行動しているのかつかめず観客にあまり感情移入させるキャラクターにはなっていませんが、そこが気にならないのであれば、冒頭のシーンから最後まで、見るものを魅了するいい映画だと思いましたよ。

製作 ジョン・ケメニー
監督 ジョン・アーヴィン
脚本 W・W・ボイト
撮影 トーマス・バースティン
音楽 ジェフリー・バーゴン
出演 ロン・エルダード / ザック・オース / ティモシー・オリファント / フランク・ホエーリー / ディラン・ブルーノ / マーティン・ドノヴァン / ダン・ファターマン / ドワイト・ヨーカム
プライベート・ソルジャー
【2007/12/09 14:20】 | 第二次世界大戦映画(ヨーロッパ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
ハンバーガーヒル(原題:Hamburger Hill)
ハンバーガー・ヒル
今回ご紹介する映画は「ハンバーガーヒル」です。1987年米国で制作された映画で、「プラトーン」(1986年)が前年に公開され、そこからベトナム戦争映画ブームがあったので、ご覧になった方も多いと思います。監督は「戦争の犬たち」「プライベートソルジャー」のジョン・アーヴィン、俳優は1000人以上のオーディションの中から選ばれた14名が主人公です。基本的には無名の人が多いのですが、今では名優になってきた若き日の「ドン・チードル」がいたりします。

さて、内容ですが、1969年5月10日、米101空挺師団の分遣隊が「アパッチ・スノー作戦」の元、アシャウ・バレーに進軍します。14人の主人公たちが所属するのは、101空挺師団第187連隊第3大隊のブラボー中隊になります。彼らは“937高地”と呼ばれる「ドン・アプ・ビア」を確保すべく、そこを守備する北ベトナム正規軍と衝突します。北ベトナム軍は937高地に壕とトンネルを張り巡らせ、米空軍による空爆にも耐え、麓から攻めあがってくる米軍を迎え撃ちます。一進一退の激しい攻撃の中、この地を確保するため、第3大隊600名の出した犠牲は7割に上ります。兵士の誰が言ったのかは不明ですが、「このヒルは、俺たち全員をミンチにしようとしている」とつぶやいたことから、そこは以後“ハンバーガー・ヒル”の名で呼ばれるようになります。

難攻不落の937高地攻略を命じられた14名の兵士たちの運命は?そこで彼らが見た壮絶な戦場とは?

そんなあらすじです。

この映画は、非常にリアルでベトナム戦争の一面を的確に表現できています。これは、脚本家の「ジム・カラバトソス」が実際に、63年から69年にかけて、ベトナムに従軍した経験をもち、「20才かそこらでベトナムを体験するというのはどんなことなのか、それを物語にしたかった」という思いでこの脚本を書き上げたそうです。

また、監督の「ジョン・アービン」については、69年にBBCのドキュメンタリー作家としてベトナムヘ乗り込んだ経験があり、当時の鮮烈な記憶として、「若い兵士たちが分かち合っていた、想像を絶する勇気と献身」に感銘を受けたと後日物語っており、それを映画として記録したいという強烈な思いがあったようです。

そして、俳優たちに徹底した兵士としての訓練を行わせ、また実際にハンバーガー・ヒルで戦ったジョセフ・コンミー退役陸軍大佐、同アルバート・ニール曹長がテクニカル・アドバイザーとして参画、この映画にさらにリアリティを与えています。

さて、この作品ですが、上記のような戦場について精通しているスタッフが結集し、制作した作品ですので、全体的によくできています。戦闘シーンについても非常によくできており、リアルさ(プライベートライアン以前の作品なので、今の戦争映画のような手ぶれや色を落とした画風や、兆弾の音響効果などはないですが)を感じます。

ただし、私が一点気になったのは、ここに登場する主人公が配属されている部隊、、「バンド・オブ・ブラザーズ」でおなじみの101空挺師団(エリート部隊)ですが、この「ハンバーガーヒル」の中に出てくる主人公の兵士たちがちょっと精神的に弱く、無謀な作戦に投入された被害者的意識や発言が散見されるのは、ちょっと私は疑問を感じました。第二次世界大戦時の101空挺師団の隊員たちですと、作戦に対し、このように感じなかったのではないでしょうか?(第二次世界大戦の状況とベトナム戦争の時の状況は大きく違うのかもしれませんが)101空挺師団のようなエリート部隊の兵士たちには、ベストな仲間と共に戦っているという気持ちともっと不屈の精神があるように感じます。

また、冒頭から戦闘シーンの連続で、ストーリーについてはあまり観客が感情移入できるような内容にはなってはいませんが、最後の937高地攻略のシークエンスからは、観る者を圧倒し、最後まで画面に釘付けにします。

ストーリー性を重視する人にとっては、冒頭から最後まで戦闘シーンの連続になりますので、逆に単調な感じを与えてしまうかもしれませんが、当時の兵士たちの体験した状況が手に取るようにわかりますし、また当時の雰囲気をよく伝えていると思うので、私はこの映画はベトナム戦争を描いた多々ある作品の中でも、TOP5に入るぐらいの名作だと思っています

タイトルは、「ハンバーガーヒル」、原題も「Hamburger Hill」です。こちらは、無名の兵士が名づけたこの丘の名前に由来するのですが、この題名は文句のいいようがありません。すばらしいと思います。

最後に感想ですが、「プラトーン」とはまた違った作風をこの作品はもっており、それ以外については、作品の内容や俳優、戦闘シーンなど非常にリアルですばらしく、観るものを冒頭から最後まで魅了する映画だと思いますよ。見る価値ありです。

俳優
Anthony Barrile アンソニー・バリル (Languilli)
Michael Patrick Boatman マイケル・パトリック・ボードマン (Motown)
Don Cheadle ドン・チードル (Washburn)
Michael Dolan マイケル・ドーラン (Murphy)
Don James (Mcdaniel)

監督:John Irvin ジョン・アーヴィン
製作:Marcia Nasatir マーシャ・ナサティア Jim Carabatsos ジム・カラバトソス
脚本:Jim Carabatsos ジム・カラバトソス
撮影:Peter MacDonald ピーター・マクドナルド
音楽:Philip Glass フィリップ・グラス
ハンバーガー・ヒル
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ベトナム関連
ベトナム従軍経験者である監督オリバーストーンが描く、名作「プラトーン」
プラトーン (特別編) (ベストヒット・セレクション)
【2007/12/01 11:25】 | ベトナム戦争映画 | トラックバック(0) | コメント(1) |
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