![]() 今回ご紹介する映画は「チェチェン・ウォー」です。2002年ロシアで制作された映画です。監督はロシアの鬼才といわれる「フリークスも人間も」「ロシアン・ブラザー」のアレクセイ・バラバノフ、出演は「レッド・スナイパー 〜独ソ最終決戦〜」のアレクセイ・チャドブです。マイナーな作品なので、観た方はすくないかもしれませんね。 さて内容ですが、この映画は、題名通りチェチェン紛争を背景にしています。物資輸送中にイスラム武装組織の捕虜となったロシア軍のイワン軍曹(アレクセイ・チャドブ)は、手と足に鎖をつけられ武装組織の拠点で薪(丸太?)を切ったりしながら強制労働をさせられています。そこにイギリス人の俳優であるジョンがその恋人とともにこの基地に連れてこられます。 武装組織はジョンと共に捕虜となったロシア軍人二人を見せしめに彼らの前で即刻死刑を執行します。その残虐な執行を目の当たりにした彼らは恐怖に慄きながらも自分たちは軍人ではなく、俳優であることを主張、武装組織に開放を要求しますが、全く聞く耳をもたれません。それどころか、先に捕虜となっていた外国人の指を切り落とすなど、さらに残虐な行為を彼らの前で行い、彼らから逃亡の意思を奪い、さらに要求に従わなければ、何をされるのかわからないという恐怖を植えつけます。 ある日のこと、武装組織のリーダーは、ジョンと英語が話せるイワン軍曹二人を釈放し、二ヶ月以内に200万ドルを用意しなければ、ジョンとともに捕虜となった婚約者をレイプ後、死刑執行すると脅し、必ず金を用意し、この基地に戻ってくることを強要します。 ジョンはイギリス本国に戻り、必死の金策に走りますが、イギリス政府はテロリストとの取引は行わないことを主張、200万ドルに到底届かず期日は刻一刻と迫ってきます。 身代金額に全く足りないまま、万策尽きた彼は、最後の手・・・イワン軍曹と共に婚約者の奪還を図るべく再び武装組織の基地を襲撃する計画を練り、そしてその計画を実行に移します。 再び、チェチェンの地に向かう二人。果たして二人は強力な武装組織に囚われている婚約者を奪還できるのか?二人の運命は? そんなあらすじです。 この映画はおそらく賛否両論に分かれると思います。「つまらない」という意見のほうが多いかもしれません。内容としては、チェチェン紛争の激しい戦闘シーンを期待させる題名になっているので、それを期待して観た方は、どちらかというと婚約者奪還のために金策やその後再度チェチェン地域に越境し、その後二人だけの軍事作戦で最終的には武装組織の基地を急襲するという話の展開になっていますので、話の流れは地味目ですし、戦闘シーンもどちらかというとそれほど激しいものではないので、大きく期待外れな印象を与えるかもしれません。 ただ、私としては、冒頭のジョンたちが武装勢力の基地に連行されてきたとき、いきなりロシア軍人の捕虜の首を切ってしまうような残虐な処刑をしたり、イワン軍曹とジョンが再度武装勢力のテリトリーに侵入したときに軍用車を奇襲するのですが、その戦闘シーンでは、車に同乗していた女性もあっさり殺してしまったり、また最後の基地でのシーンでもイワンが建物内に手榴弾を投げ込んだ後、建物に突入するとはらわたから内臓が飛び出た老人が「何をしにきた・・・」(ちょっと正確な台詞を忘れましたが)とつぶやきながら呆然としているシーンとか、全編に渡り「乾いた感じの死に関する臨場感」を感じることができ、私としては、なかなかどうして、この映画を最後まで集中してみる事ができました。 タイトルは「チェチェン・ウォー」です。こちらは、どうしても本格的な軍隊同士の戦争を想像してしまう題名になっていますが、観て頂くとわかるとおり、どちらかというと私闘に近い内容なので、ひょっとしたら肩透かしを食らってしまう内容かもしれません。原題は「THE WAR」・・・ちょっと私にはこの題名をどのような意図で名づけたのかは、想像できませんでした。どなたか、いい解釈があれば是非教えてください。 最後に感想ですが、先ほども書きましたように、この題名から本格的な戦闘シーンがある戦争映画だと思いこの映画を鑑賞すると、ちょっと拍子抜けしてしまうでしょうが、捕虜奪還ものの映画として、多少イージーゴーイングな感じはあるにせよ、「死のリアルさ」をところどころ感じさせる(少なくとも私にはリアルに感じました)戦闘シーンも散見されますし、主人公のアレクセイ・チャドブもいい味を出しているので、観てもいいかなって感じさせる映画だと思いましたよ。 監督 : アレクセイ・バラバノフ 出演 : アレクセイ・チャドブ , ラン・ケリー , セルゲイ・ボドロフ・ジュニア , インゲボルガ・タブクナイテ ![]() |
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